皆さんは、「九州から奈良まで日帰りする高校生」というレアキャラを見たことがありますか?しかも目的は、天理市で宗教の講習を受けるため。
……いました。ここに。私です。ドラクエならはぐれメタルかってくらいの、レア中のレアです。
今回は、高校生だった私が「別席(べっせき)」という天理教の講習を受けるためだけに、九州から天理市まで新幹線と電車を乗り継いで日帰りした話。宗教の話というより、ほぼ旅行記ですな。お気楽にどうぞ。
①そもそも「別席」ってなに?
別席とは、天理教の祈祷「おさづけ」ができるようになるために受ける講習のこと。9回受ける必要があり、しかも天理市にある天理教本部でしか受けられないという、なかなかのハードモード設定です。ポケモンで言えば四天王への挑戦、モンハンで言えばマスターランクのラージャン討伐みたいなもんです(ゲームで例えすぎやで)。
詳しくはおさづけの記事で紹介しているので、「おさづけって何?」という方はぜひそちらからどうぞどうぞ。遠慮なさらずに。
つまり遠方住みの信者さんは、この講習のために何度も天理市まで通うわけです。誰だよこんなルール設けたの……と恨み言のひとつも呟きたくなります。九州からだと、もはやちょっとした巡礼。きっとお遍路さんとも苦労話で「それな〜」と盛り上がれることでしょう。知らんけど。
②なぜ信者じゃない高校生が行くことになったのか
答えはシンプル。祖母が「旅費もご飯代も出すから受けてきてほしい」と言ったからです。
信者じゃない私にとって、別席はぶっちゃけ興味の対象外。でも、タダで新幹線に乗れて、駅弁が食べられて、ちょっとした旅ができる。暇を持て余した神々くらい暇だった私は、それだけでワクワクさん並みにわくわくですよ。
高校生にこのカードを切られて断れる人、いる?いねぇよなぁ!?
というわけで、叔母と従弟と私の3人パーティーで、日帰り天理クエストが始まりました。頭の中でドラクエの序曲のマーチが流れ出すハイテンションです。
③早朝出発!電車と新幹線を乗り継ぐ旅
当日は早朝に九州を出発。新幹線で京都へ向かい、そこから在来線を乗り継いで天理駅を目指します。
楽しみにしていた駅弁を新幹線で平らげ、京都駅の美しさに歓声を上げ、初めて見る関西の路線図に「路線多すぎん?」と戦慄し、乗り換えのたびに「次は何線?」と叔母に確認する。今思えば、あの旅で関西の路線にちょっと詳しくなりました。別席より学びがあった気がします。いや、確実にそう。
九州から天理市までは片道だけでも結構な長旅。日帰りなので、早朝から夕方までほぼ移動と講習で終わる弾丸スケジュールです。
一泊くらいさせてくれても良いのにね。でもこれは祖母の優しさで、「部活と勉強で忙しいのにありがとうね、すぐ済むように日帰りにしとくからね」と申し訳なさそうに言われたもんだから、私も「き……気にしないで?」と言うしかなかったのよ。「勉強も部活もサボってて暇なのよ」なんて、口が裂けても言えなかったわ。
④いざ別席へ。2時間の修行が始まる
天理教本部に到着し、いよいよ別席です。教室みたいな場所で、天理教独特の黒い和服を着た、大杉漣さんそっくりのおじいちゃん講師(天理教では「取次人」というそうです)から話を聴きます。生き別れの双子ですかね?
内容はというと、人間の起源や教祖・中山みきさんのお話を、約2時間ひたすら聞くというもの。
正直に言います。高校生には、しんどい。
座って話を聞いているだけなので、油断すると意識が天に召されそうになります。パトラッシュ、なんだかとても眠いんだ……とフランダースの犬の名場面が流れてきたところで、必死に意識を取り戻す。その繰り返し。そこで私は、心の中でお話にツッコミを入れて自分なりに楽しむという技を編み出しました。
いや、ちゃんと聞いてると、結構びっくりすることをやってるんですよ、この教祖様。
昔の言葉で語られるので正確に理解できたわけではないのですが、中山みきさん。いや、もう親しみすら感じるからミキさんと呼ばせてもらいます。たとえばミキさん、何度も警察に捕まって拘留されているらしいんです。最初は「入れられすぎやろ、どんなヤンチャしたん」と心配したんですよ。そしたら理由は宗教活動。何度獄中生活を送ってもめげずに布教を続けるメンタルの強さに、思わず感服しました。「鋼メンタルか!」と。お豆腐メンタルの私には真似できません……。
一番前のめりでツッコんだのは、他人の子どもの不治の病を治すために、自分の子どもの寿命を差し出したというお話。
ミキさんには実の子どもが何人かいたそうですが、そのうち2人の子どもの命と自分の寿命を引き換えに、疱瘡にかかった他人の子どもを救い、その子はその時代には珍しく72歳まで生きたんだとか。
……!?な、なんだって!?おじいちゃん、もう一回言ってくれないか?
私は耳を疑いました。まじかミキさん!!子どもの寿命を差し出すって、それは……アンパンマンが人助けのためにメロンパンナちゃんの顔を食べさせるようなもんよ。子どもたちびっくりしちゃうわよ、と。
というか、そもそもどうやって寿命を削って、どうやって病気が治ったんだ??祈ったらそうなった?リアリストJKには理解不能。頭の中はハテナの嵐〜♪嵐〜for dream♪でした。
罰当たりかもしれませんが、こうやっていじってないと高校生は2時間もちません。やってられねぇよ、です。信者の皆さん、すみません。でも寝るよりはマシだと思ったんです。ほら、ただ聞くだけじゃ覚えないって言うじゃないですか。考えながら聞くと記憶に残りやすいらしいですよ!(開き直り)
さいごに:疲れたけど、不思議とためになった旅
別席を終えて、また長い電車旅で九州へ。家に着いた頃にはへとへとでした。
正直、講習の内容はツッコんだところ以外ほとんど覚えていません(おい)。でも、駅弁を食べて、初めての路線にワクワクして、叔母や従弟と長い時間を過ごしたあの日帰り旅そのものは、今でもいい思い出として残っています。
可愛い子には旅をさせよってホントだね!
祖母にとっては、孫に信仰を継いでほしいという思いがあったのだと思います。結局私は信者にはなりませんでしたが、それでも祖母は変わらず接してくれています。旅費とご飯代、ごちそうさまでした。
ちなみに別席、9回中まだ5回くらいで止まっています。祖母はまた行ってほしいと言うのですが、社会人はお金があっても暇がないのでね……(おばあちゃんごめん!)。
この続きはまた、天理ラーメンが食べたくなった頃にでも、関西観光のついでに行こうかね。
PS:海外から来た受講者さん
話は変わるのですが、講習の際、私の隣にヘッドホンをつけた海外から来たらしき男性が2名座っていて驚きました。
後で叔母に聞くと、天理教は日本だけでなく海外にも教会があり、シンガポールやアメリカなどの海外から講習を受けに来る方もいるそうです。ヘッドホンは、通訳された音声を聴くためのものだったんですね。
海外進出までしているなんて、天理教やるやん・・!。

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